パニック障害チェック
突然おこる不安障害:パニック障害
突然胸が苦しくなったり、窒息感や息苦しさだけでなく、血の気が引いたり吐き気がしたり、「このまま死んでしまうのではないだろうか?」という不安に襲われたことはありませんか?
呼吸器や循環器の異常を疑って、それぞれの専門科を受診したけれど身体に異常は認められず、症状が落ち着いたからと安心していたら、また突然苦しい発作を繰り返す。そんな症状に苦しんでいらっしゃる方は、パニック障害かもしれません。
パニック障害は、100人に1~2人の方が発症するといわれており、特に最近では女性を中心に発症が増えている報告があり、決して珍しい病気というわけではありません。
パニック障害の診断基準
パニック発作とパニック障害の診断基準は、アメリカの精神医学会(APA)が作成したDSM-IV-TR(精神疾患の診断・統計マニュアル)が世界基準として用いられています。
パニック発作の診断基準(DSM-IV-TR)
強い恐怖や不快を感じる時間帯は、はっきりとほかと区別できる時間で、その間、以下の症状のうち4つまたはそれ以上が突然出現し、10分以内にそのピークに達する。
- 動悸、心悸亢進、または心拍数が増加した
- 発汗がある
- 身震い、または震えがある
- 息切れ感、または息苦しさがある
- 窒息感がある
- 胸痛、または胸部の不快感がある
- 吐き気、または腹部の不快感がある
- めまい感、ふらつく感じ、頭が軽くなる感じ、または気が遠くなる感じがある
- 現実感の消失、または離人症状(自分ではない感じ)がある
- 自分をコントロールできないことや、気が狂うことに対する恐怖がある
- 死ぬのではないかという恐怖がある
- 異常感覚(感覚麻痺、またはうずき感)がある
- 冷感、または熱感がある
パニック障害の診断基準(DSM-IV-TR)
- A
- (1)と(2)の両方を満たす
- (1)予期しないパニック発作がくり返し起こる
- (2)少なくとも1回の発作のあと1カ月間(またはそれ以上)、以下のうち1つ(またはそれ以上)が続くこと
- (a)もっと発作が起こるのではないかという心配の継続
- (b)発作、またはその結果がもつ意味(例:コントロールを失う、心臓発作を起こす、"気が狂う"についての心配
- (c)発作と関連した行動の大きな変化
- B
- 広場恐怖が存在しない→広場恐怖をともなわないパニック障害
- 広場恐怖が存在している→広場恐怖をともなうパニック障害
- C
- パニック発作は、物質(例:乱用薬物、投薬)または一般身体疾患(例:甲状腺機能亢進症症)の直接的な生理学的作用によるものではない
- D
- パニック発作は、以下のような他の精神疾患ではうまく説明されない
- 社会恐怖(例:恐れている社会的状況に暴露されて生じる)
- 特定の恐怖症(例:特定の恐怖状況に暴露されて生じる)
- 強迫性障害(例:汚染に対する強迫観念のある人が、ごみや汚物に暴露されて生じる)
- 心的外傷後ストレス障害(例:強いストレス因子と関連した刺激に反応して生じる)
- 分離不安障害(例:家を離れる、あるいは身近な家族から離れたときに生じる)
広場恐怖の診断基準(DSM-IV-TR)
- A
逃げるに逃げられない(または逃げたら恥をかく)ような場所や状況、またはパニック発作やパニック様症状が予期しないで、または状況に誘発されて起きたときに、助けが得られない場所や状況にいることについての不安
広場恐怖が生じやすい典型的な状況:家の外にひとりでいること、混雑のなかにいること、橋の上にいること、バス、汽車、または自動車で移動していること、などがある
※注意:1つ、または2~3の状況だけを回避している場合には特定の恐怖症の診断を、または社会的状況だけを回避している場合には社会恐怖を考えること
- B
その状況だけが回避されている(例:旅行が制限されている)か、またはそうしなくても、パニック発作、またはパニック様症状が起こることを非常に強い苦痛、または不安をともないながら耐え忍んでいるか、または同伴者をともなう必要がある
- C
その不安、または恐怖症性の回避は、以下のような他の精神疾患ではうまく説明されない
- 社会恐怖(例:恥ずかしい思いをすることに対する恐怖のために社会的状況を避ける)
- 特定の恐怖症(例:エレベーターのような単一の状況だけを避ける)
- 強迫性障害(例:汚染に対する強い強迫観念のある人が、ごみや汚物を避ける)
- 心的外傷後ストレス障害(例:強いストレス因子と関連した刺激を避ける)
- 分離不安障害(例:家を離れること、または家族と離れることを避ける)