うつ病の原因

病気の原因は、神経細胞の傷つき

うつ病は、神経細胞が正しく機能しないために起こります。
「こころの風邪」と言われることもあるため、うつ病は「心の病気=甘えや、精神力が弱いことが原因で起こるもの」と誤解されがちですが、実際には、個人の感情や気持ちの持ちよう、性格によるものではなく、他の身体の病気と同じように、脳という身体の状態に起因して発症する病気である、という考え方が主流になって来ています。

病気の原因は、神経細胞の傷つき

神経伝達物質とは?

神経伝達物質は脳内で合成される物質で、神経細胞と神経細胞の間で放出・吸収されてさまざまな情報や指令を伝達します。代表的なものに「セロトニン」「ノルアドレナリン」「ドーパミン」があり、三大神経伝達物質といわれています。
うつ病の原因としては、「セロトニン」「ノルアドレナリン」の不足が考えられています。神経伝達物質が不足することで「意欲」や「活力」などを伝える働きが鈍り、その結果うつ病の症状を引き起こす原因となります。

脳内の情報伝達のしくみ

セロトニン:心のバランスを整える

セロトニンは、ノルアドレナリンやドーパミンの作用を抑え、心に落ち着きをもたらし、精神を安定させる作用があります。幸福感や満足感を生み出す働きもあります。
セロトニンが不足すると、情報のコントロールがうまくいかず、うつ病やパニック障害の発症につながります。

ノルアドレナリン:気分を高揚させる

ノルアドレナリンは、身体的・精神的を活動状態に向かわせる物質で、気持ちを高めたり、興奮や緊張を作り出したりする作用があります。恐怖や驚き、不安を感じさせることで、ストレスに対抗したり、逃避したりする行動をとらせるのです。
ノルアドレナリンが不足すると、積極性が失われ、無気力、無関心、意識の低下が起こりやすくなります。

発症のきっかけは、主にストレス

うつ病の原因やきっかけについてはまだ完全に解明されたわけではありませんが、ストレスがうつ病の発症と深い関係を持っていることは明らかになってきています。

真面目で責任感が強い方は要注意

うつ病は「甘え」が原因だという誤解がありますが、実は全く逆で、真面目で責任感が強く、自分の許容量を超えてがんばりすぎてしまう方がなりやすい病気です。がんばりすぎてストレスをため込むことで、心のバランスを崩してしまうのです。

うつ病治療=投薬+休養

うつ病の治療は、まず、抗うつ剤を服用して神経伝達物質の働きを正常化させる必要があります。処方はメンタルクリニックなどの病院でしか行えませんので、治療の第一歩は専門の病院へ行くことです。

また、発症の原因となったストレス状態が改善されなければ、投薬で症状が改善しても、再発や症状悪化のリスクが高くなります。心と体を十分に休めることも、大切なうつ病の治療です。

うつ病について